国有林の林力増強計画 2
林野庁は、国有林の特別経営事業の大造林の末期から30年余りを経て、第二次の大造林に当面したのですが、不幸なことに直前10年余りは戦争による空白期間があったことで、こと造林技術についてはその幹部、職員は実際1年生ということなのです。
・・・することなすことすべて手探りの状態であった明治40年頃と変わりないのです。
造林事業そのものが鍬と鎌と鉈といった3種の神器による人海戦術以外に方法のない難儀な事業であり、その結果は10年ないし数十年後に現れるという近代産業では見当もつかない仕事なのです。
だからこそ造林事業は休むことなく連綿と続いてこそ調査研究の進展、事業の発展が期待できるものです。
20年、30年という空白をつくっては技術の維持増進は到底望み得ないでしょう。
さて、終戦後の2度目の大造林はどんな様子だったのでしょうか。
一つの流域について川下から川上に向かい全面的に皆伐し、引き続いて人工造林を進めるのですから、たちまち欠陥が現れます。
まずは寒害が全国的に大発生しました。
1回に何年分もの造林地に被害が出るのだから、大変なことです。
国有林の現場はもとより、国立の林業試験場をはじめ、都道府県の林業試験場も大慌てで、その対策に狂奔する有様でした。
・・・まさに泥縄式の勉強となったものです。